日本皇国憲法案(おわり)
第6章 地方自治

第105条【自治権の保障、自治の原則】
1 皇国は、すべての市町村および道・州に、独立かつ完全な自治権をみとめる。
2 各自治体は、その住民による自治を保障すること。とくに市町村の住民には、民主的かつ直接的な住民集会による意思形成と、住民投票による立法および意思決定の、実効力ある権利を必ず保障すること。

第106条【自治体】
1 自治体の廃止または新設は、必ず国会の議決によること。
2 自治体の境界を変更するための規則は、法律に定めること。

第107条【地方議会】
1 地方議会を、各自治体の住民の代表機関と定める。議会の構成や組織は法律に定める基準を守り、その会議は、法律に定める例外をのぞき、公開すること。
2 地方議会の議員は、それぞれの住民が、憲法および法律に定める基準にしたがい、直接選挙によって選ぶこと。議員および選挙人の資格および選挙の方法は、憲法第45条にしたがい、法律に定めること。
3 議員の資格を失わせる場合の規定は、法律に定めること。
4 議員の任期は、法律に定めないかぎり、4年とする。

第108条【条例】
1 地方議会に、議決によって条例をつくる権利をみとめる。
2 条例は、法または国会の議決に反しないかぎり有効とする。
3 条例を議決する方法に関する基準は、法律に定めること。

第109条【地方の治政】
1 市町村は、市町村長を長とする市役所または町村役場が、また道・州は、道・州知事を長とする道・州政府が治めること。
2 市町村議会は、法律に定める基準にしたがい、市町村長および役人の選任方法を条例に定めること。
3 道・州知事の選出は、住民の直接選挙により、選挙人・被選挙人の資格、および選挙の方法は、法律に定めること。
4 前2項について、憲法第45条が禁じる差別を、定めてはならない。

第110条【市町村連合】
 業務の効率化・最適化のため、条例に定めて、複数の市町村で道・州とは別の連合体を形成してよい。

第111条【地方財政】
1 地方財政は、各自治体の機能を遂行するために十分な資力を確保すること。
2 前項の目的のため、各自治体に独自に税を徴収し、国からの交付金を得る権利をみとめる。
3 自治体が徴収する税と国税、および自治体と国の財政における関係は、法律に定めて調整すること。

第112条【国と自治体の関係】
1 自治体の組織が満たすべき基準、およびその権限は、法律に定めること。
2 国会が、ひとつの自治体のみに適用する特別法は、法律にしたがい、その自治体住民の投票において、その過半数の同意を得ないかぎり無効とみなす。
3 そのほか、自治体間あるいは自治体と国の間の紛争を調停するための規則は、法律に定めること。


第7章 憲法改正

第113条【総則】
1 この憲法は、一部、または全部をいつでも改正してよい。
2 ただし、憲法改正の審議は、とくに慎重に行なうこと。

第114条【憲法改正の手続き】
1 憲法改正の法律案は、さきに衆議院に提出すること。
2 衆議院は、その案を複数の法律案に分割してよい。また必要ならば章・節・条文・項目・脚註の番号を変更し、それらの順序を入れ替えて形式の統一を保つこと。
3 衆議院は、前項の手続きを経た法律案を承認し、民びとぜんたいに広報したら、ただちに解散すること。
3 解散の後、新たに衆議院を招集した時点で、国会両議院は承認された法律案を、議決すること。議決には、両議院で総議員の3分の2以上の賛成を得ること。
4 議決を経た法律案を、国会は国民に発議し、その承認を受けること。承認は国民投票により、投票者の過半数の賛成を得ること。

第115条【公布、移行規定】
1 改正された憲法は、政府の広報として出版・公開した時点から有効とする。
2 憲法改正前からの法律で、新憲法に合致しなくなったものは、新たに合致するものが作られるまで有効とする。ただし、国会の議決により廃止された場合を除く。


第8章 天皇

第116条【天皇の地位】
 皇国のすべての民は、天皇を、皇国の統一およびこの憲法の象徴と定める。

第117条【天皇および皇族の権利】
 皇国は、天皇および皇族に、憲法に定める例外を除き、国民と同じ基本権を保障する。

第118条【皇籍】
 だれを皇族と見なすかは、法律に定める。

第119条【皇位の世襲】
1 皇位は世襲とし、明治天皇の直系の子孫に引き継ぐ権利をみとめる。
2 天皇が死去した場合は、その時点で存命し出生している直系の子孫が、年長順に世襲すること。直系の子孫がいない場合、その前代から順次さかのぼった明治天皇の子孫で存命しているものが、年長順に世襲すること。

第120条【天皇の退位】
1 天皇には退位する権利をみとめる。その場合も、皇位継承は第119条2項にしたがう。
2 退位後の天皇がもうけた子孫には、皇位継承権をみとめない。

第121条【天皇の結婚】
 天皇および皇族の結婚は、国会総会で議決すること。国会の議決を経ないで結婚した天皇および皇族は、その地位を失う。 

第122条【皇位継承者の除外】
 天皇または摂政の発議に基づき、国会総会は、ひとりまたはそれ以上の者を、議決により皇位継承から除外してよい。

第123条【皇位継承者の不在】
1 皇位を引き継ぐ者がいない場合は、天皇またはその摂政が提出する議案に基づき、国会総会の議決によって皇位継承者を任命すること。その議案を公開したのちに、国会はいちど解散し、あらたに招集した国会総会ではじめて議決することができる。承認には、出席議員の3分の2以上の賛成を得ること。
2 天皇が死去したり退位した後に皇位を引き継ぐ者がいない場合は、国会をいちど解散し、あらたに招集した国会総会で皇位継承者を任命しなければならない。承認には、出席議員の3分の2以上の賛成を得ること。
3 前2項によって任命された天皇は正統と見なし、皇位継承その他に関して、それ以前の皇位とまったく同様に扱う。
4 前3項によっても天皇の職務を行なう者がいない場合、国会総会は、議決により摂政を任命すること。

第124条【天皇の宣誓義務】
 天皇は即位したらすみやかに、公開の国会総会において、憲法へ忠誠を果たし職務を忠実に果たすことを、宣誓すること。宣誓のそれ以下の内容については、法律に定めること。

第125条【摂政】
 天皇が未成年の場合、成年に達するまで、摂政がその職務を代行すること。

第126条【天皇の職務不能】
1 天皇が職務の継続に支障を来した場合、内閣はすみやかに、国会両院へその判断を問う議案を提出すること。また国会は、国会総会を開きそれを議決すること。またその決議には、天皇による公布を経ないで効力をみとめる。
2 天皇の職務停止が議決された場合、国会は摂政を任命すること。
3 天皇または摂政から議案が提出されれば、国会総会は天皇の、職務への復帰を議決すること。議決されれば、天皇はただちに職務を再開すること。

第127条【天皇の職務停止】
1 天皇が職務の停止を希望する場合、天皇または摂政は国会の両院へその判断を問う議案を提出することができ、国会総会でそれを議決しなければならない。
2 前項に対する摂政の任命、天皇の職務への復帰に関する規定は、第126条の2、3項に準ずること。

第128条【摂政の任命】
1 摂政の任命は、国会総会の議決によること。
2 皇位継承が予定される者で成年の者には、摂政となる権利を優先的にみとめる。
3 摂政は公開の国会総会において、憲法へ忠誠を果たし、皇国のすべての民びとに対して職務を忠実に果たすことを宣誓すること。宣誓のそれ以下の内容については、法律に定めること。
4 摂政の職務は、国会総会の議決により定め、それは摂政の継承や交代に関する規定を含むこと。
5 摂政に関するその他の規定は、この章の天皇に関する規定に準じること。

第129条【内閣の代行】
 天皇の職務を行なう者がまったくいない場合、内閣がそれを代行すること。

第130条【天皇の無答責、内閣の指示と同意、国務相の署名】
1 だれも、天皇を告訴することはできない。その責任は、国務相が負うこと。
2 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣が指示と同意を与え、また責任を負うこと。
3 天皇の名で弘布する、法律および国務に関するすべての文書には、天皇および1名以上の国務相の署名を必要とする。ただし、首相および国務相の任命は、天皇および首相の署名によること。

第131条【天皇の行為、政治活動の禁止】
 天皇には、この憲法の定める国事に関して儀礼的行為のみをみとめ、政党あるいは労働組合に加入し、または政治や政治性の高い活動に関与することを禁じる。

第132条【天皇の任命権】
1 天皇は、国会の議決にしたがい、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、国会が議決した候補者の中から内閣が指名した、最高裁判所裁判官および憲法裁判所裁判官を任命する。

第133条【天皇の国事行為】
 天皇が行なう国事に関する行為は、以下のものに限られる。
一 国民投票により承認された、憲法改正を公布すること
二 国会が議決した法律を公布すること
三 国会が承認した条約を公布すること
四 国会を召集すること。
五 憲法の定める場合に、衆議院を解散すること。
六 政令を公布すること。
七 国務大臣および法律の定めるその他の官吏の、任免ならびに全権委任状および大使および公使の信任状を認証すること。
八 国民投票にしたがい、国務相、裁判官その他の公務員を任免すること。
九 国会が承認した、全権委任状および大使および公使の信任状を認証すること。
十 栄典を授与すること。
十一 批准書その他の外交文書を認証すること。
十二 外国の大使および公使を接受すること。

第134条【年俸および財産】
1 天皇および皇族には、法律にしたがい、税収から年俸を与える。また、それには税を課さないこと。
2 天皇および皇族は、所得および財産を自由に処理してよい。ただし、納税者たる民びとの福利は、つねに考慮すること。

第135条【移行規定】
1 宮内庁および皇室典範は廃止する。
2 皇室財産は、国会総会の議決により、天皇および皇族に分配する。
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by souansyuu | 2007-08-15 07:05 | 松本立憲君主制案



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