行政:オランダ王国憲法(1983年)
第2章 政府

第1部 王

第24条
 王位は世襲であり、オラニエ=ナッソー公ウィレムI世の正統な子孫がこれを引き継ぐ。

第25条
 王が死んだ場合、王位はその正統の子孫が年長順に世襲する。この権利をもつ者が王より先に死んだ場合は、その子孫に同じ規則を適用する。
 王に子孫がいない場合、王位は上と同様にして王の両親の子孫が、それもいなければ王の祖父母の子孫で王位を継承できる家系の者が世襲する。ただし、死んだ王の3親等以内の親族でなければならない。

第26条
 王位継承に関しては、胎児もすでに生まれたものとみなす。ただし、死産だった場合には、そもそも存在しなかったものとみなす。

第27条
 王が退位した場合、王位継承は上の憲法条文にしたがう。退位の後に生まれた子どもは、王位継承から除外する。

第28条
(1)国会の議決による承認を得ないで結婚した王は、退位したものとみなす。 
(2)王位を継承する家系にあって、そうやって結婚した者は、その子孫ともども王位継承から除外する。
(3)これらの議決は、国会両院の合同会議による。

第29条
(1)例外的な事情があれば、ひとりまたはそれ以上の者を、国会の議決で王位継承から除外してよい。
(2)この議案は、王またはその代理人が提出しなければならない。これを承認するかどうかの議決は国会両院の合同会議により、承認には、票決により3分の2以上の賛成を必要とする。

第30条
(1)王位を継ぐ者がありそうにない場合、国会の議決で王位継承者を決めてよい。その議案は、王またはその代理人が提出しなければならない。またそのさい、国会はいちど解散し、あらたに招集した国会の、両院の合同会議で議決しなければならない。承認には、票決により3分の2以上の賛成を必要とする。
(2)王が死んだり退位して、王位を継ぐものがいない場合、国会をいちど解散しなければならない。あらたに招集した国会は、両院の合同会議を王の死または退位から4ヶ月以内に開き、王を任命しなければならない。承認には票決により3分の2以上の賛成を必要とする。
第31条
(1)任命された王の位は、その正統の子孫が世襲する。
(2)王位継承に関して前の条文で述べたことと、この条文の第1項は、任命された王位継承者でまだ王になっていない者にも、同じように当てはまる。

第32条
 王は、職務についたらなるべくすみやかに、首都アムステルダムで、国会の公開かつ
両院合同の会議において、宣誓し就任を認められなければならない。王は、憲法へ忠誠を果たし、任務を忠実に果たすことを宣誓、または約束しなければならない。その内容については、法で規準を定める。

第33条
 王は、満18歳になってはじめて、職務につくことが認められる。

第34条
 未成年の王に対する監督は、法で定める。国会はこの件について、両院合同で協議しなければならない。

第35条
(1)大臣による評議会は、王は職務を果たせないと判断したら、国会の両院へ知らせ、国家顧問団の名で判断を請わなければならない。両院は、そこで合同会議に入らなければならない。
(2)国会両院の合同会議は、上と同じ判断を下したら、王は職務を果たせない、という決議を上げなければならない。この決議は合同会議議長の指示で公布され、ただちに効力を発揮する。
(3)王が、ふたたび職務を果たせるようになったかどうかは、国会が認証する。国会は、両院の合同会議でそれを議決しなければならない。王は、その認証が公布されれば、ただちに職務を再開しなければならない。
(4)王に職務を果たせないことが議決された場合、必要ならば、国会の議決により保護者を定める。国会両院は合同でそれを議決しなければならない。

第36条
 王は、国会の議決にしたがい職務を一時的に放棄し、またそれを再開してよい。その議案は、王またはその代理が提出しなければならない。また、国会は両院合同でそれを議決しなければならない。

第37条
(1)以下のような場合、摂政が王の職務を行なう。
(a)王が満18歳に達していない場合
(b)王位を継ぐべき者が、まだ生まれていない場合
(c)王に、職務を果たせないことが証明された場合
(d)王が、職務を一時的に放棄した場合
(e)王の死や退位のあと、後継者がいない場合
(2)摂政は、国会が決めて任命される。この件は、両院の合同会議で決めなければならない。
(3)上の(1)項(c)および(d)にあたる場合、王の子孫で後継者と推定される者が満18歳に達していれば、摂政となる権利をもつ。
(4)摂政は、国会両院の合同会議において、憲法へ忠誠を尽くし、任務を忠実に遂行することを宣誓、または約束しなければならない。摂政の職務は、国会の議決により定め、それは摂政の継承や交代に関する規準を含む。この件は、国会両院の合同会議により、協議し決めなければならない。
(5)第35、36条は、摂政にも同じように当てはまる。

第38条
 王の職務を行なう者が現れない場合、国家顧問団がそれを行なう。

第39条
 だれが王家に含まれるかは、法律で定める。 

第40条
(1)王は法律で定める規準にしたがい、国の税金から年俸を受ける。この法律はまた、他にどの王族に国の税金から給料を与えるか定め、それらの額も定める。
(2)王族が国の税金から得る給料と、彼らが任務を果たすのに役立てる資産からは、個人税を免除する。さらに、王やその後継者と推定される者が、王族から相続し、あるいは贈られた物からは、相続税、譲渡税、贈与税を免除する。そのほかの免税は、法律で保証する。
(3)上の(1)(2)に関する法律は、国会で票決による3分の2以上の賛成により承認される。

第41条
 王は、みんなの利益をじゅうぶんに考えながら、自分でやりくりを行なう。


第2部 王と国務相

第42条
(1)政府は、王と国務相とからなる。
(2)王は過ちをとがめられない。その答責は、国務相が負う。

第43条
 首相やその他の国務相を任命し、また解任するのは、王の命令による。

第44条
(1)政府の各省は王の命令にしたがって置かれ、国務相がこれらを率いる。
(2)率いるべき省を持たない国務相も、任命されてよい。

第45条
(1)内閣は、国務相全員からなる。
(2)首相は、内閣の議長をつとめる。
(3)内閣は全体の政策を話し合って決め、また一貫したものにする。

第46条
(1)長官は、王の命令によって任命し、また解任することができる。
(2)長官は、各国務相が必要と判断した場合に、その省で国務相の役割を務める。その場合、長官は国務相の指示にしたがう。また答責は長官が負い、国務相に及ぶことはない。

第47条
 国会のあらゆる決議と王の命令は、王および一人以上の国務相または長官の署名を必要とする。

第48条
 首相を任命する王の命令には、首相自身も確認署名を行なう。国務相や長官を王の命令によって任命し、また解任する場合も、首相の署名を必要とする。

第49条
 国務相または長官が就任する際には、議会で定めたやり方にしたがって、王の前で潔白であることを宣言し、憲法に忠誠を尽くすことと、誠実に職務を果たすことを誓約しなければならない。


第4章 国政顧問団、会計検査院および護民官

第73条
(1)国政顧問団、または顧問団のそれぞれの部門は、議案、国家の方針に関する提案、また条約の承認に関する提案について、国会から相談を受ける。国会が議決すれば、相談する必要はない。
(2)国政顧問団、または顧問団のそれぞれの部門は、王の布告があれば、政治をめぐる争いについて調査し、行政のやりかたについて助言する。
(3)国政顧問団、または顧問団のそれぞれの部門は、政治をめぐる争いについて判断を下す。

第74条
(1)王は国政顧問団長をつとめる。王位を継ぐ予定の者も、18才になれば国政顧問に加わる。国会が決めれば、王室のほかの者でも国政顧問団に加わることができる。
(2)国政顧問は王の布告によって任命し、その地位は終身である。
(3)国政顧問の地位を失うのは、自分から辞めるか、法律で定める定年になった場合である。
(4)国政顧問団は、法律が指定しているような場合には顧問の資格を停止したり、その地位をうばってよい。
(5)国政顧問のその他の法的な地位については、法律で定める。

第75条
(1)国政顧問団の組織、構成、権限については、法律で定める。
(2)国会が議決すれば、国政顧問団、または顧問団のそれぞれの部門に仕事を追加してよい。

第76条
 会計検査院は、国の収入と支出について調べる権限をもつ。

第77条
(1)会計検査官は終身で、国会第二院が選ぶ候補者3人につき1人を、王の布告により任命する。
(2)会計検査官でなくなるのは、自分から辞めるか、法律で定める定年になった場合である。
(3)最高裁判所は、法律が指定しているような場合には会計検査官の資格を停止したり、うばってよい。
(4)会計検査官のその他の法的な地位については、法律で定める。

第78条
(1)会計検査院の組織、構成、権限については、法律で定める。
(2)国会が議決すれば、会計検査院に仕事を追加してよい。

第78a条
(1)国政護民官は求めに応じて、または独自に国の機関を調べ、また法律にしたがって国の機関に助言する。
(2)国政護民官と代理護民官は、国会第二院によって法律で定める期間だけ任命され、自分から辞めるか法律で定める定年になったとき、その地位を失う。国会第二院は、法律が指定しているような場合には、その資格を停止したり、うばってよい。その他の法的地位は、法律で定める。
(3)国政護民官の権限と仕事の手続きは、法律で定める。
(4)国会が議決すれば、国政護民官に仕事を追加してよい。

第79条
(1)国の立法や統治に関して助言する常設の団体を置くのは、国会の議決による。
(2)そうした団体の組織、構成、権限については、法で定める。
(3)国会が議決すれば、これらの団体に助言以外の仕事を追加してよい。

第80条
(1)この章の、以上の条文に書かれている団体が出した勧告は、法律で定める規準にしたがって公開されなければならない。
(2)国会が決めた場合をのぞき、王または王の代理が出した法案に対する勧告は、国会に提出しなければならない。

第5章 立法と行政

第2部 その他

第104条
 国が取り立てる税金は、法律にしたがって取らなければならない。それ以外で国が取り立ててよいものも、法律で定めたものに限られる。

第105条
(1)国の収入と支出に関する予算は、国会で議決する。
(2)国全体の予算案は毎年、憲法第65条で定める日に、王またはその代理が提出する。
(3)国の収入と支出についての決算報告は、法律にしたがって国会に提出する。会計検査院が認めた決算書を、審査しなければならない。
(4)国のお金を管理し、運用するための規則は、法律で定める。

第106条
 通貨のしくみは、法律で定める。

第107条
(1)一般法典に載せる、民法、刑法および民事や刑事の訴訟に関する法律は、国会で定める。ただし、特殊なことがらについて法律を定める者の権力をおかすことはない。
(2)行政法ぜんたいの規則は、国会で定める。

第109条
 公務員の法的な地位は、法律で定める。その仕事を確保することと、公務員の共同決定に関する規則は、法律で定める。

第110条
 職務を果たすにあたって、政府機関は、法律に定める規則にしたがい、情報へアクセスする権利を尊重しなければならない。
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# by souansyuu | 2005-07-08 06:26 | 行政

人権条項:オランダ王国憲法(1983年)
第1章 基本権

第1条 【平等】
 オランダにいる人はみな、おなじ条件のもとでは平等にあつかわれる。宗教、信条、政治に関する意見、人種、性別、そのほかどんな理由であれ、差別はゆるされない。

第2条【市民権】
(1)だれをオランダ国民とするかは、法律で定める。
(2)外国人を受け入れたり送りかえすための規則は、法律で定める。
(3)外国人は、条約にしたがっている場合にだけ、送りかえしてよい。それに関するさらに細かい規則は、法律で定める。
(4)だれにでも、この国を去る権利がある。ただし、法律で定める例外をのぞく。

第3条【公務につく権利】
 すべてのオランダ国民は、公務に任命される権利を平等にもつ。

第4条【選挙する権利・される権利】
 すべてのオランダ国民は、代議員を選挙したり、その選挙に立候補する権利を平等にもつ。ただし、法で定める制限や例外をのぞく。

第5条【請願】
 すべての人は、役所の応対すべき部門へ、文書により請願する権利をもつ。

第6条【宗教、信条】
(1)すべての人は個人か集団かを問わず、法律のもとで責任を問われないかぎり、自分の宗教や信条を自由に表明する権利をもつ。
(2)健康をまもるため、交通整理のため、あるいは混乱をしずめたり防ぐためならば、密室以外で上の権利を行使することは、法律で規制してよい。

第7条【表現】
(1)だれも、法律のもとで責任を問われない限り、思想や意見を出版するのにあらかじめ許可を得る必要はない。
(2)ラジオとテレビに対する規制は、法律で定める。ただし、それが放送内容をあらかじめ検閲することであってはならない。
(3)だれも、法律のもとで責任を問われない限り、思想や意見を上記以外の方法で公表するのにあらかじめ許可を得る必要はない。よい習俗をまもるためならば、16歳未満の人びとに公開される演し物は、法律で規制してよい。
(4)以上のことは、商業広告には当てはまらない。

第8条【団体】
 仲間と団体をつくる権利はみとめられる。みんなの秩序のためならば、法律でこの権利を制限してよい。

第9条【集会】
(1)集会やデモ(示威行動)をおこなう権利は、法律のもとで責任を問われないかぎり、みとめられる。
(2))健康をまもるため、交通整理のため、あるいは混乱をしずめたり防ぐための制限ならば、法律で定めてよい。

第10条【プライバシー】
(1)すべての人は、法律で定める例外をのぞき、私的な世界を尊重される権利をもつ。
(2)個人の情報を記録し公開するときに、私的な世界をまもるための規則は、法律で定める。
(3)個人の情報を記録したことやその使い道をその人に知らせ、またその訂正を受けるための規則は、法律で定める。

第11条【身体の不可侵】
 すべての人は、法律で定める例外をのぞき、身体を侵されない権利をもつ。 

第12条【住居】
(1)住む人の同意なしに住居に侵入できるのは、法律が定める場合で、しかも法律によって許可された者が行なう場合にかぎる。
(2)法律で定める例外をのぞき、上記のようにして住居へ侵入する場合は、あらかじめ身分証明書を見せ、侵入する目的を知らせなければならない。
(3) 住む人には、侵入したことをなるべく早く文書で報告しなければならない。国家の安全のため、あるいは法的な訴えにもとづき住居へ侵入する場合については、法律で定めた規則にしたがい、その報告を遅らせてよい。報告そのものをしなくてよいのは、報告すること自体が、国家の安全に必ず反する場合である。

第13条【通信】
(1)通信の秘密を、侵してはならない。ただし、法律にしたがい、かつ裁判所が命じた場合をのぞく。
(2)電話や電報の秘密を、侵してはならない。ただし法律が定める場合で、法律にしたがい権限を与えられた者か、あるいはその者から許可を得た者が行なう場合をのぞく。

第14条【私有財産】
(1)私有財産を没収してよいのは、みんなのためになり、完全な補償を確約でき、かつ法律が定めた、さまざまな規準を満たしている場合にかぎる。
(2)緊急事態で、私有財産をすみやかに没収することが必要な場合は、完全な補償を確約する必要はない。
(3)政府が、みんなのために私有財産を破壊するか使えなくし、あるいは財産権の行使を制限した場合、法律にしたがい、完全に、あるいはその一部を補償させる権利が生じる。

第15条【自由】
(1)法律で定める場合をのぞき、だれの自由も奪ってはならない。
(2)裁判所の命令によらず自由を奪われている人はみな、裁判所にその釈放を求めることができる。それに対し、裁判所は法律で定める期間のうちにその人を法廷で証言させ、法に反して自由が奪われていると判断したら、ただちに釈放を命じなければならない。
(3)裁判にかけるために自由を奪われている人には、その点を考慮して適切な期間のうちに裁判を行わなければならない。
(4)法律によって自由を奪った人には、基本権の行使を制限してよい。ただし制限してよい権利は、使うと自由を奪った意味がなくなるものに限られる。

第16条【遡及処罰の禁止】
 どんな行為も、行なった時点での法律に反していないかぎり、処罰してはならない。

第17条【裁判を受ける権利】
 だれも、法律でその権利を認められたことについて、裁判を受けることを妨げられない。

第18条【弁護される権利】
(1)だれでも、訴訟や政府への請求を行なうために、必要な手助けを受けることができる。
(2)お金がない人も、裁判の手助けを受けられるようにするための規則は、法律で定める。

第19条【仕事】
(1)仕事の口がじゅうぶんに確保されるようはたらきかけるのは、政府の義務である。
(2)労働者の法的地位に関する規則、労働者をまもるための規則、また労働者と使用者の共同決定に関する規則は、法律で定める。
(3)すべてのオランダ国民には、自由に仕事を選ぶ権利がある。ただし、法律で定める制限や例外をのぞく。

第20条【福祉】
(1)住民の社会生活を保障し、富を配分することは、政府の義務である。
(2)社会保障を受ける資格に関する規則は、法律で定める。
(3)オランダに住むオランダ国民で、社会生活を営むことができない人には、法律で定める基準にしたがい、政府の手助けを受ける権利がある。

第21条【環境】
 国土を住むに足るものにし、環境をまもり向上させることは、政府の義務である。

第22条【健康】
(1)政府は、人びとの健康を増進するための諸策を講じる。
(2)じゅうぶんな住まいを得られるようはたらきかけるのは、政府の義務である。
(3)政府は、社会と文化の発展や、余暇活動が活発になる条件をととのえる。

第23条【教育】
(1)教育は政府の、尽きることのない課題である。
(2)教育を行なうことは、自由である。ただし政府はそれを監督し、やりかたを法律で定める教育に関しては、教育者の能力や倫理を法律にしたがって調べる。
(3)公的な教育に関する規則は、みなそれぞれの宗教や信条を尊重しながら、法律で定める。
(4)公的な普通初等教育は、政府がすべての自治体に、じゅうぶんな数の学校を置いて行なう。そうした教育の機会が与えられていれば、法律に定める範囲でそこから外れてもよい。
(5)全体またはその一部を公的なお金によって設置される学校が満たすべき要件は、私立学校における教育方針の自由を尊重しながら、法律で定める。
(6)普通初等学校に対して定める要件を満たすことで全体を公的なお金によった私立学校は、その質を公立学校と同じに保たなければならない。その要件を定めるさい、私立学校において教材の選択、および教師を選任する自由は、とくに尊重される。
(7)私立の普通初等学校には、法に定める条件を満たせば、公立学校と同じ規準にしたがい、公的なお金を割り当てる。私立の普通中等教育や高等教育へ公的なお金を割り振るための条件は、法律で定める。
(8)政府は、教育の状況を毎年、国会に報告しなければならない。

第9章 付則

その9
 第16条は、「戦争犯罪に関する布告」によって処罰される犯罪にはあてはまらない。
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# by souansyuu | 2005-07-08 06:21 | 人権条項

外交・国際関係:スペイン憲法
第10条

2 憲法が保証する基本的権利および自由に関する規定は、世界人権宣言ならびにスペインが批准した人権に関する国際条約および国際協定に従って解釈する。

第13条
1 外国人は、条約および法律の定める条件のもと、本編が保障する公的自由を享受する。

3 犯罪人の引渡しは、お互いさまの原則に従ってのみ認める。政治犯は犯罪人の引渡から除外されるが、テロ行為は、これを政治犯とみなさない。
4 外国から来た市民および無国籍者が、スペイン国内で亡命庇護権を享受しうる条件は、法律でこれを定める。

第42条
 国は、在外スペイン人労働者の経済的、社会的権利の保護を試みる。また、労働者の帰国の方向へ政策を糺していく。

第56条
1 国王は国家元首(Head)であり、国の統一および永続性の象徴(symbol)である。国王は、諸制度の正常な機能を仲裁、調整し、国際関係、とりわけ歴史的にスペインと同一の共同体を形成してきた国々との関係において、スペイン国の最高代表権を付与され、ならびに憲法と法律が明示的に付与する機能を行使する。

第63条
1 国王は、大使その他の外交代表に信任状を与える。スペインに着任した外国の代表は、国王の前で信任される。
2 国王は、憲法と法律に整合する条約を通じて国際的義務を負うことにたいして、国の同意を表明する。
3 国王は、国会の権威に従い、戦争を宣言し、平和を取り結ぶ。

第93条
 憲法に由来する権限を、国際組織または国際機関に移譲する条約の締結は、組織法により、これを承認する。これらの条約、および権限を付与した国際組織または超国家的(Supranational)組織による決議の履行は、場合により、国会または内閣がこれを保持しなければならない。

第94条
1 次の場合には、条約または協定の締結により、国が義務を負う際、国会の事前の承認を得なければならい。
 a 政治的性格を有する条約
 b 軍事的性格を有する条約または協定
 c 国の領土の保全、または第1編で定める基本的権利および義務に影響をおよぼす条約または協定。
 d 国庫に対する財政的負担を含む条約または協定。
 e 法律の改正または廃止をともなう、もしくは実施のため立法措置を必要とする条約または協定。
2 下院(代表院)および上院(評議院)は、その他の条約または協定の締結について、直ちに報告を受ける。

第95条
1 憲法に違反する条項を含む国際条約を締結する際は、事前に、憲法の改正を必要とする。
2 内閣またはいずれかの議院は、条約が憲法に違反しないかどうかを宣言してもらうように、憲法裁判所に求めてよい。

第96条
1 有効に締結された国際条約は、スペイン国内で公布された後は、国内法秩序の一部を構成する。その規定は、当該条約に定める方法または国際法の一般的原則に従ってのみ、これを廃止し、改正し、または停止することができる。
2 国際条約および国際協定を廃棄する際は、第94条で定める、条約締結の際と同じ手続きをとらなければならない。

第97条
 内閣は、内政および外交、行政および軍事行政、ならびに国防を指揮する。内閣は、憲法および法律に従い、執行権および命令を発する権限を有する。

第149条
1 国は次の事項につき、排他的な権限を有する。
 三  国際関係。
 一〇 税関および関税制度、外国貿易。
 一一 貨幣制度。外貨、為替および兌換制。信用、銀行および保険制度の基  
    礎
 二〇 商船隊および船籍の登録。灯台および海上信号。一般港湾、一般空港、
    空域管制、航空交通、航空運輸、気象観測および航空機の登録。
 二八 輸出および略奪から、スペインの文化的、芸術的財産、および国家的
    記念建造物を保護すること。国立の博物館、図書館および公文書館。
    ただし、自治州による管理を妨げない。
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# by souansyuu | 2005-07-08 06:05 | 外交・国際関係

憲法改正:日本国憲法
第9章 改正

第96条【改正の手続、その公布】
 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

第11章 補則

第103条【経過規定ー公務員の地位】
 この憲法施行の際現に在職する国務大臣、衆議院議員及び裁判官並びにその他の公務員で、その地位に相応する地位がこの憲法で認められてゐる者は、法律で特別の定をした場合を除いては、この憲法施行のため、当然にはその地位を失ふことはない。但し、この憲法によつて、後任者が選挙又は任命されたときは、当然その地位を失ふ。
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# by souansyuu | 2005-07-06 09:17 | 憲法改正

司法:日本国憲法 
第6章 司法

第76条【司法権・裁判所、特別裁判所の禁止、裁判官の独立】
1 すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。
2 特別裁判所は、これを設置することができない。行政機関は、終審として裁判を行ふことができない。
3 すべて裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。
 
第77条【最高裁判所の規則制定権】
1 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
2 検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
3 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
 
第78条【裁判官の身分の保障】
 裁判官は、裁判により、心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合を除いては、公の弾劾によらなければ罷免されない。裁判官の懲戒処分は、行政機関がこれを行ふことはできない。
 
第79条【最高裁判所の裁判官、国民審査、定年、報酬】
1 最高裁判所は、その長たる裁判官及び法律の定める員数のその他の裁判官でこれを構成し、その長たる裁判官以外の裁判官は、内閣でこれを任命する。
2 最高裁判所の裁判官の任命は、その任命後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際国民の審査に付し、その後10年を経過した後初めて行はれる衆議院議員総選挙の際更に審査に付し、その後も同様とする。
3 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その裁判官は、罷免される。
4 審査に関する事項は、法律でこれを定める。
5 最高裁判所の裁判官は、法律の定める年齢に達した時に退官する。
6 最高裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
 
第80条【下級裁判所の裁判官・任期・定年、報酬】
1 下級裁判所の裁判官は、最高裁判所の指名した者の名簿によつて、内閣でこれを任命する。その裁判官は、任期を10年とし、再任されることができる。但し、法律の定める年齢に達した時には退官する。
2 下級裁判所の裁判官は、すべて定期に相当額の報酬を受ける。この報酬は、在任中、これを減額することができない。
 
第81条【法令審査権と最高裁判所】
 最高裁判所は、一切の法律、命令、規則又は処分が憲法に適合するかしないかを決定する権限を有する終審裁判所である。
 
第82条【裁判の公開】
1 裁判の対審及び判決は、公開法廷でこれを行ふ。
2 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。但し、政治犯罪、出版に関する犯罪又はこの憲法第3章で保障する国民の権利が問題となつてゐる事件の対審は、常にこれを公開しなければならない。
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# by souansyuu | 2005-07-06 09:12 | 司法

行政:日本国憲法
第5章 内閣

第65条【行政権】
 行政権は、内閣に属する。
 
第66条【内閣の組織、国会に対する連帯責任】
1 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣でこれを組織する。
2 内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない。
3 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負ふ。
 
第67条【内閣総理大臣の指名、衆議院の優越】
1 内閣総理大臣は、国会議員の中から国会の議決で、これを指名する。この指名は、他のすべての案件に先だつて、これを行ふ。
2 衆議院と参議院とが異なつた指名の議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は衆議院が指名の議決をした後、国会休会中の期間を除いて10日以内に、参議院が、指名の議決をしないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。
 
第68条【国務大臣の任命及び罷免】
1 内閣総理大臣は、国務大臣を任命する。但し、その過半数は、国会議員の中から選ばれなければならない。
2 内閣総理大臣は、任意に国務大臣を罷免することができる。
 
第69条【内閣不信任決議の効果】
 内閣は、衆議院で不信任の決議案を可決し、又は信任の決議案を否決したときは、10日以内に衆議院が解散されない限り、総辞職をしなければならない。
 
第70条【内閣総理大臣の欠缺・新国会の招集と内閣の総辞職】
 内閣総理大臣が欠けたとき、又は衆議院議員総選挙の後に初めて国会の召集があつたときは、内閣は、総辞職をしなければならない。
 
第71条【総辞職後の内閣】
 前2条の場合には、内閣は、あらたに内閣総理大臣が任命されるまで引き続きその職務を行ふ。
 
第72条【内閣総理大臣の職務】
 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。
 
第73条【内閣の職務】
 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
1.法律を誠実に執行し、国務を総理すること。
2.外交関係を処理すること。
3.条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。
4.法律の定める基準に従ひ、官吏に関する事務を掌理すること。
5.予算を作成して国会に提出すること。
6.この憲法及び法律の規定を実施するために、政令を制定すること。但し、政令には、特にその法律の委任がある場合を除いては、罰則を設けることができない。
7.大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を決定すること。
 
第74条【法律・政令の署名】
 法律及び政令には、すべて主任の国務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署することを必要とする。
 
第75条【国務大臣の特典】
 国務大臣は、その在任中、内閣総理大臣の同意がなければ、訴追されない。但し、これがため、訴追の権利は、害されない。

第7章 財政
 
第86条【予算】
 内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。
 
第87条【予備費】
 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基いて予備費を設け、内閣の責任でこれを支出することができる。
2 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
 
第89条【公の財産の支出又は利用の制限】
 公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため、又は公の支配に属しない慈善、教育若しくは博愛の事業に対し、これを支出し、又はその利用に供してはならない。
 
第90条【決算検査・会計検査院】
1 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
 
第91条【財政状況の報告】
 内閣は、国会及び国民に対し、定期に、少くとも毎年一回、国の財政状況について報告しなければならない。
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# by souansyuu | 2005-07-06 09:12 | 行政

立法:日本国憲法
第4章 国会

第41条【国会の地位、立法権】
 国会は、国権の最高機関であつて、国の唯一の立法機関である。

第42条【両院制】
 国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。

第43条【両議院の組織】
1 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
2 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。

第44条【議員及び選挙人の資格】
 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

第45条【衆議院議員の任期】
 衆議院議員の任期は、4年とする。但し、衆議院解散の場合には、その期間満了前に終了する。

第46条【参議院議員の任期】
 参議院議員の任期は、6年とし、3年ごとに、議員の半数を改選する。

第47条【選挙に関する事項の法定】
 選挙区、投票の方法その他両議院の議員の選挙に関する事項は、法律でこれを定める。

第48条【両議院議員兼職禁止】
 何人も、同時に両議院の議員たることはできない。

第49条【議員の歳費】
 両議院の議員は、法律の定めるところにより、国庫から相当額の歳費を受ける。

第50条【議員の不逮捕特権】
 両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。

第51条【議員の発言・票決の無責任】
 両議院の議員は、議院で行つた演説、討論又は表決について、院外で責任を問はれない。

第52条【常会】
 国会の常会は、毎年1回これを召集する。

第53条【臨時会】 内閣は、国会の臨時会の召集を決定することができる。いづれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない。

第54条【衆議院の解散、特別会、参議院の緊急集会】
1 衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から30日以内に、国会を召集しなければならない。
2 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる。
3 前項但書の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであつて、次の国会開会の後10日以内に、衆議院の同意がない場合には、その効力を失ふ。

第55条【議員の資格争訟】
 両議院は各々その議員の資格に関する争訟を裁判する。但し、議員の議席を失はせるには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。

第56条【定足数・票決】
1 両議院は、各々その総議員の3分の1以上の出席がなければ、議事を開き議決することができない。
2 両議員の議事は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、出席議員の過半数でこれを決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

第57条【会議の公開、秘密会】
1 両議院の会議は、公開とする。但し、出席議員の3分の2以上の多数で議決したときは、秘密会を開くことができる。
2 両議院は、各々その会議の記録を保存し、秘密会の記録の中で特に秘密を要すると認められるもの以外は、これを公表し、且つ一般に頒布しなければならない。
3 出席議員の5分の1以上の要求があれば、各議員の表決は、これを会議録に記載しなければならない。

第58条【役員の選任、議院規則、懲罰】
1 両議院は、各々その議長その他の役員を選任する。
2 両議院は、各々その会議その他の手続及び内部の規律に関する規則を定め、又、院内の秩序をみだした議員を懲罰することができる。但し、議員を除名するには、出席議員の3分の2以上の多数による議決を必要とする。

第59条【法律案の議決、衆議院の優越】
1 法律案は、この憲法に特別の定のある場合を除いては、両議院で可決したとき法律となる。
2 衆議院で可決し、参議院でこれと異なつた議決をした法律案は、衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる。
3 前項の規定は、法律の定めるところにより、衆議院が、両議院の協議会を開くことを妨げない。
4 参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて60
日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる。

第60条【衆議院の予算先議と優越】
1 予算は、さきに衆議院に提出しなければならない。
2 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて30日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

第61条【条約の国会承認と衆議院の優越】
 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第2項の規定を準用する。

第62条【議院の国政調査権】
 両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。

第63条【国務大臣の議院出席】
 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかはらず、何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。

第64条【弾劾裁判所】
1 国会は、罷免の訴追を受けた裁判官を裁判するため、両議院の議員で組織する弾劾裁判所を設ける。
2 弾劾に関する事項は、法律でこれを定める。

第7章 財政

第83条【財政処理の基本原則】
 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。
 
第84条【課税】
 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。
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# by souansyuu | 2005-07-04 07:00 | 立法

人権条項:日本国憲法
第3章 国民の権利及び義務

第10条【日本国民の要件】
 日本国民たる要件は、法律[国籍法]でこれを定める。

第11条【基本的人権の享有と性質】
 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。

第12条【自由・権利の保持義務、濫用の禁止、利用の責任】
 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない。又、国民は、これを濫用してはならないのであつて、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。

第13条【個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利の尊重】
 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。

第14条【法の下の平等、貴族制度の否認、栄典の限界】
1 すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
2 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
3 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受けるものの一代に限り、その効力を有する。

第15条【公務員の選定罷免権、公務員の性質、普通選挙と秘密投票の保障】
1 公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。
2 すべて公務員は、全体の奉仕者であつて、一部の奉仕者ではない。
3 公務員の選挙については、成年者による普通選挙を保障する。
4 すべて選挙における投票の秘密は、これを侵してはならない。選挙人は、その選択に関し公的にも私的にも責任を問はれない。

第16条【請願権】
 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に請願する権利を有し、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。

第17条【国及び公共団体の賠償責任】
 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、その賠償を求めることができる。

第18条【奴隷的拘束及び苦役からの自由】
 何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。

第19条【思想及び良心の自由】
 思想及び良心の自由は、これを侵してはならない。

第20条【信教の自由、国の宗教活動の禁止】
1 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
2 何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。
3 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

第21条【集会・結社・表現の自由、検閲の禁止、通信の秘密】
1 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

第22条【居住・移転・職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由】
1 何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
2 何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。

第23条【学問の自由】
 学問の自由は、これを保障する。

第24条【家族生活における個人の尊厳と両性の平等】
1 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して制定されなければならない。

第25条【生存権、国の生存権保障義務】
1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。

第26条【教育を受ける権利、教育の義務、義務教育の無償】
1 すべて国民は、法律(教育基本法第三条第二項)の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。
2 すべて国民は、法律(教育基本法第四条)の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする。

第27条【労働の権利・義務、労働条件の基準、児童酷使の禁止】
1 すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ。
2 賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律(労働基準法)でこれを定める。
3 児童は、これを酷使してはならない。

第28条【労働者の団結権・団体交渉権その他団体行動権】
 勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。

第29条【財産権の保障】
1 財産権は、これを侵してはならない。
2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律(民法第一編)でこれを定める。
3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

第30条【納税の義務】
 国民は、法律(憲法第八十四条)の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

第31条【法定手続の保障】
 何人も、法律(刑事訴訟法等)の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

第32条【裁判を受ける権利】
 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。

第33条【逮捕に対する保障】
 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。

第34条【抑留・拘禁に対する保障】
 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。

第35条【住居侵入・捜索・押収に対する保障】
1 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
2 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。

第36条【拷問及び残虐な刑罰の禁止】
 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁止する。

第37条【刑事被告人の諸権利】
1 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
2 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
3 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。

第38条【不利益な供述の強要禁止、自白の証拠能力】
1 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
2 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
3 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

第39条【刑罰法規の不遡及、二重刑罰の禁止】
 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。

第40条【刑事保障】
 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律(刑事補償法)の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。

第10章 最高法規

第97条【基本的人権の本質】
 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。
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# by souansyuu | 2005-07-04 06:50 | 人権条項

外交・国際関係:日本国憲法
第7条【天皇の国事行為】
 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
1 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
8 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
9 外国の大使及び公使を接受すること。

第9条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第60条【衆議院の予算先議と優越】
2 予算について、参議院で衆議院と異なつた議決をした場合に、法律(国会法第八十五条)の定めるところにより、両議院の協議会を開いても意見が一致しないとき、又は参議院が衆議院の可決した予算を受け取つた後、国会休会中の期間を除いて三十日以内に、議決しないときは、衆議院の議決を国会の議決とする。

第61条【条約の国会承認と衆議院の優越】
 条約の締結に必要な国会の承認については、前条第2項の規定を準用する。

第72条【内閣総理大臣の職務】
 内閣総理大臣は、内閣を代表して議案を国会に提出し、一般国務及び外交関係について国会に報告し、並びに行政各部を指揮監督する。

第73条【内閣の事務】
 内閣は、他の一般行政事務の外、左の事務を行ふ。
2 外交関係を処理すること。
3 条約を締結すること。但し、事前に、時宜によつては事後に、国会の承認を経ることを必要とする。

第98条【憲法の最高法規性、条約・国際法規の遵守】
2 日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。
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# by souansyuu | 2005-07-04 06:38 | 外交・国際関係

政治体・天皇制・立憲主義:日本国憲法
前文

 ・・・そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。・・・

第1章 天皇

第1条【天皇の地位・国民主権】
 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

第2条【皇位の継承】
 皇位は、世襲のものであつて、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する。

第3条【天皇の国事行為と内閣の責任】
 天皇の国事に関するすべての行為には、内閣の助言と承認を必要とし、内閣が、その責任を負ふ。

第4条【天皇の権能の限界、天皇の国事行為の委任】
1 天皇は、この憲法の定める国事に関する行為のみを行ひ、国政に関する権能を有しない。
2 天皇は、法律(国事行為の臨時代行に関する法律)の定めるところにより、その国事に関する行為を委任することができる。

第5条【摂政】
 皇室典範の定めるところにより、摂政を置くときは、摂政は、天皇の名でその国事に関する行為を行ふ。この場合には、前条第1項の規定を準用する。

第6条【天皇の任命権】
1 天皇は、国会の指名に基いて、内閣総理大臣を任命する。
2 天皇は、内閣の指名に基いて、最高裁判所の長たる裁判官を任命する。

第7条【天皇の国事行為】
 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
1 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
2 国会を召集すること。
3 衆議院を解散すること。
4 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
5 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
6 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
7 栄典を授与すること。
8 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
9 外国の大使及び公使を接受すること。
10 儀式を行ふこと。

第8条【皇室の財産授受の制限】
 皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。

第7章 財政

第88条【皇室財産・皇室の費用】
 すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。

第10章 最高法規

第98条【最高法規、条約及び国際法規の遵守】
 この憲法は、国の最高法規であつて、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。

第99条【憲法尊重擁護の義務】
 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。
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# by souansyuu | 2005-07-04 06:28 | 政治体・天皇制

構成:日本国憲法
上諭(公布文)

前文

第1章 天皇        (第1〜8条:8か条)
第2章 戦争の放棄     (第9条:1か条)
第3章 国民の権利及び義務 (第10〜40条:31か条)
第4章 国会        (第41〜64条:24か条)
第5章 内閣        (第65〜75条:11か条)
第6章 司法        (第76〜82条:7か条)
第7章 財政        (第83〜91条:9か条)
第8章 地方自治      (第92〜95条:4か条)
第9章 改正        (第96条:1か条)
第10章 最高法規      (第97〜99条:3か条)
第11章 補則        (第100〜103条:4か条) 
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# by souansyuu | 2005-07-02 09:18 | 構成・章立て

主権:日本国憲法
日本国憲法前文

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。

第1章 天皇

第1条【天皇の地位・国民主権】
天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

第10条 【国民の要件】
 日本国民たる要件は、法律でこれを定める。

* ここに掲げた、文言を読むと、「立憲主義」がたちどころに分からなくなる。「主権は国民」と書いておきながら、10条になると、その「国民」の要件は「法律」が定めるというーーー。それじゃ、法律と憲法とどちらが最高法規なの??法律が主権を決めちゃうことになるでしょうーーー。現行憲法のちぐはぐさの一例だが、現行憲法では人民主権ということが理解されていないと、関曠野氏に教わることで、頭がすっきりした。[白崎記] *
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# by souansyuu | 2005-07-02 03:36 | 主権

前文:日本国憲法

 日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する。これは人類普遍の原理であり、この憲法はかかる原理に基くものである。われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。


 日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。


 われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであつて、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従ふことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信ずる。


 日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓ふ。
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# by souansyuu | 2005-07-01 07:27 | 前文

自治:日本国憲法
第8章 地方自治

第92条【地方自治の基本原則】
 地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律(地方自治法)でこれを定める。

第93条【地方公共団体の議会】
1 地方公共団体には、法律の定めるところにより、その議事機関として議会を設置する。
2 地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する。

第94条【地方公共団体の権能】
 地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。

第95条【特別法の住民投票】
 一の地方公共団体のみに適用される特別法は、法律の定めるところにより、その地方公共団体の住民の投票においてその過半数の同意を得なければ、国会は、これを制定することができない。
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# by souansyuu | 2005-07-01 07:22 | 自治

安全保障:日本国憲法 第2章 戦争の放棄
第9条【戦争放棄、軍備及び交戦権の否認】
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
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# by souansyuu | 2005-07-01 07:15 | 安全保障