スペイン憲法の自治
 *スペイン憲法は序編第2条で諸民族と諸地域の自治権の承認と保障を明記している。それを実効あるものとするため、第8編地域の組織には22条にわたって地域の自治について書いてある。
 ここには、その一部と構成・標題を挙げ、日本国憲法での自治を見直すための資料とする。(鏡・記)*


 序編
第2条【国家の統一性、自治権】
憲法は、スペイン国民(nation)の解消不可能な統一性、すなわち、すべてのスペイン人の共通かつ不可分の祖国に基礎を置き、これを構成する諸民族(nationalities)および諸地域の自治権、ならびにこれらすべての間の連帯を
承認し、かつ保障する。

第8編 地域の組織
第147条【自治憲章】
 1 自治憲章は、本憲法の枠内において、各自治州の基本的な制度規範をなすものであり、国は、その法秩序の一部をなすものとして、これを承認し、かつ保護する。
 2 自治憲章は、次の事項を含むものでなければならない。
 a その歴史的アイデンティティに最もふさわしい自治州の名称。
 b 自治州の境界。
 c 独自の自治機関の名称、組織及び本拠地。
 d 憲法の枠内で自治州が引き受ける権限、及びこれに基づく事業の移管のた  
めの基礎。
3 自治憲章の改正は、自治憲章に定める手続によるものとし、かつ、すべての場合において、組織法による国会の承認を必要とする。


第148条【自治州の権限】
1 自治州は、次の事項につき、権限を引き受けることができる。
一 自治政府機関の組織。
二 自治州に含まれる市町村の境界の変更、及び、一般的には地方団体に関する国の行政に属し、地方制度に関する法律によりその移管が承認された機能。
三 地域整備、都市計画及び住宅整備。
四 自治州域内における、自治州の利益にかかわる公共事業。
五 路線が自治州全域に及ぶ鉄道及び道路、並びに同じ条件の下での鉄道、道路又は電線による輸送。
六 避難港、スポーツ用の港及び空港、並びに、一般に、商業活動が展開されない港及び空港。
七 全般的な経済計画に基づく農業及び牧畜業。
八 山岳及び森林利用。
九 環境保護に関する業務。
十 自治州の利益にかかわる水力、運河及び潅漑の利用に関する計画、建設及び開発。鉱泉水及び温泉水。
十一 内水漁業、貝類の採取及び養殖、狩猟及び河川漁業。
十二 自治州域内の市。
十三 国の経済政策の目的範囲内における、自治州の経済発展の助成。
十四 手工業。
十五 自治州の利益にかかわる博物館、図書館及び音楽学校。
十六 自治州の利益にかかわる記念的遺産。
十七 文化、研究、及び場合により自治州言語教育の助成。
十八 自治州域内における観光の振興及び整備。
十九 スポーツ及び余暇の適切な利用の促進。
二十 社会福祉。
二一 保健及び衛生。
二二 自治州の建造物及び施設の監視及び保護。組織法に定める条件の下での、地方警察に関する調整その他の権限。
2 5年を経過した後、自治州は、自治憲章の改正により、第149条の定める範囲内で、その権限を引き続き拡大することができる。



第8編 地方組織
第1章 一般原則
第137条【自治体、地方、自治共同体】
第138条【諸地域の自治と連帯】
第139条【平等権、移動の自由】

第2章 地方政治
第140条【自治、憲法と議会】
第141条【プロヴァンス】
第142条【財政の自治】

第3章 自治コミュニティー
第143条【自治のイニシアティヴ】
第144条【権威】
第145条【連合の禁止】
第146条【条例の起草】
第147条【条例の採用】
第148条【自治州の権限】
第149条【国の権限】
第150条【国が自治州に譲る権限と保持する権限】
第151条【自治州設置の特例】
第152条【自治州の組織、条例の改正】
第153条【自治州の機関に対する統制】
第154条【自治州に対する義務の履行の強制】
第155条【自治州の政治的自治権】
第156条【自治州の財政的自治権】
第157条【自治州の財源、課税権】
第158条【自治州への交付金、地域間補償基金】

by souansyuu | 2005-07-23 13:42 | 自治



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