自民党改憲草案第9条(2005年8月1日公表および10月28日草案)[→日本国憲法第9条]
第9条【安全保障と平和主義】

(1)日本国民は、諸国民の公正と信義に対する信頼に基づき恒久の国際平和を実現するという平和主義の理念を崇高なものと認め、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求する平和国家としての実績に係る国際的な信頼にこたえるため、この理念を将来にわたり堅持する。
(2)前項の理念を踏まえ、国際紛争を解決する手段としては、戦争その他の武力の行使又は武力による威嚇を永久に行わないこととする。
(3)日本国民は、第1項の理念に基づき、国際社会の平和及び安全の確保のために国際的に協調して行われる活動に主体的かつ積極的に寄与するよう努めるものとする。

第9条の2【自衛軍】
(1)侵略から我が国を防衛し、国家の平和及び独立並びに国民の安全を確保するため、自衛軍を保持する。
(2)自衛軍は、自衛のために必要な限度での活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和及び安全の確保のために国際的に協調して行われる活動並びに我が国の基本的な公共の秩序の維持のための活動を行うことができる。
(3)自衛軍による活動は、我が国の法令並びに国際法規及び国際慣例を遵守して行わなければならない。
(4)自衛軍の組織及び運営に関する事項は、法律で定める。

第9条の3【自衛軍の統制】
(1)自衛軍は、内閣総理大臣の指揮監督に服する。
(2)前条第2項に定める自衛軍の活動については、事前に、時宜によっては事後に、法律の定めるところにより、国会の承認を受けなければならない。
(3)前2項に定めるもののほか、自衛軍の統制に関し必要な事項は、法律で定める。

以下は、10月28日発表の「自民党草案」より

第9条【平和主義】 
(1)日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

第9条の2【自衛軍】
(1)我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全を確保するため、内閣総理大臣を最高指揮権者とする自衛軍を保持する。
(2)自衛軍は、前項の規定による任務を遂行するための活動を行うにつき、法律の定めるところにより、国会の承認その他の統制に服する。 
(3)自衛軍は、第一項の規定による任務を遂行するための活動のほか、法律の定めるところにより、国際社会の平和と安全を確保するために国際的に協調して行われる活動及び緊急事態における公の秩序を維持し、又は国民の生命若しくは自由を守るための活動を行うことができる。
(4)前二項に定めるもののほか、自衛軍の組織及び運営に関する事項は、法律で定める。


*この自民党案での問題点は、まず、「自衛権」=「自衛軍」なのか?ということと、第三項の自衛軍による活動の制限が、「我が国の法令」と「国際法規」と「国際慣例」の遵守という形であいまいに並立され規定されていることにある。これでは、現行憲法下でも問題である、日米安保条約と憲法のどちらが優位か?という議論がまたでてくることになる。もちろん、そのあいまいさが自民党の狙いだろう。
ここは、「国連憲章および国際人道法と国際人権規約を遵守し、それに基づく人道活動に自衛軍の活動は制限される」というような厳密な文言が求められるだろう。[白崎 記]*

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by souansyuu | 2005-08-03 14:16 | 第9条【戦争の放棄、軍備...】



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